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野山を読む 野山を食す

ウワバミソウ

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今年の山菜シーズンは、仕事が忙しくて休みもロクに取れませんでした。よって山菜も採れなかった。フラストレーションが溜まってしまいます。
6月末と言えばすでに山菜シーズンは過ぎているというのが一般的な認識ですが、最も遅くまで採れる山菜と言えばこれ、ウワバミソウ。
ウワバミ(=蛇)が出そうな湿った場所に生えることから名付けられたとのことですが、僕は実際にこうゆう場所で蛇に遭遇したことはありません。むしろ蛇は乾いた岩場にいるイメージですが・・・
通称「ミズ」と呼ばれるこの山菜は、東北地方では農家の収入源になる程のものらしいですが、信州では山菜としてはほとんど認識されていません。

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何本かをまとめて握り、ゆっくり引き抜くと根ごと採ることができます。渓流で泥を落すと見える赤い根元が特徴。
ウワバミソウはこのように根本が赤いものとそうでないものがあるらしく、それぞれ「アカミズ」「アオミズ」と呼ばれるそうです。この辺りではほとんどがアカミズ。
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食材として使うのは根と茎。葉を落としヒゲ根を取り除くのは意外と面倒です。
茎の部分は軽く茹でてお浸し、というのが定番のようです。茹でると赤い色は薄い紫色に変わり、茎の緑色は鮮やかになります。
それでも美味しいのですが、クセのない山菜ゆえ僕にはそれだとちょっと物足りない。醤油・めんつゆ等で一晩以上漬け込むとより美味しい。
根の部分は粘りがあります。タタキにして味噌で和える、というような食べ方が山菜の図鑑に載っています。確かに美味しいし、色も印象的。
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☆  ☆  ☆

「6月は山菜シーズンは終わってる」と先に書きましたが、梅雨時期の山は結構楽しめる穴場的な時期でもあります。
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三つ葉はこの時期ちょっと大きくなりすぎていますが、まだ大丈夫。歩きながら食べると爽やかな香りが広がります。
ウワバミソウをまとめて採ってると、その中に三つ葉が何本か紛れていることも多い。


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ミヤマイラクサ。「アイコ」の別称で知られ、山菜としての知名度はウワバミソウより高い印象があります。
毒がある棘というか毛があり、うっかり素手で触るとしばらくは痛痒くなります。茹でると棘も毒も問題なくなりクセのない山菜として楽しめますが、僕は痛痒い想いをしてまでわざわざ採るほど魅力を感じていません。


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ウスヒラタケ。比較的時期を選ばす発生するキノコですが、どちらかというと夏のキノコの印象が強い。
水分が多い上にこの時期ですから小バエが周囲に結構飛んでいます。あまり採っていこうという気分になれません。


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モミジイチゴ。梅雨時期は木苺の季節でもあります。
山歩き途中での、最高のおやつ。


by silvers_blue | 2016-06-26 17:28 | 山の幸