野山を読む 野山を食す

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時候坊

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ジコボウと読みます。でもおそらくそれは当て字でしょう。
ハナイグチという名のキノコです。落葉松林の地面に発生します。
信州では特に人気のキノコ。

人家のすぐそはから山深いところまで、信州は植林された落葉松林がとても多い。
よってこのキノコも非常に身近な存在なのです。
キノコらしい、きれいで存在感ある姿。美味しそうに見えるぬめり、他に間違いやすい毒キノコがないことも人気がある理由でしょう。発生量も多く、キノコ狩り入門に最適と言えます。

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では、その味は?

とても美味しい、という人が多いのですが、冷静に味わうと超美味というほどでもありません。
確かにぬめりを伴ったツルンとした傘、食べごたえがある柄の部分とも食感はなかなかです。
しかし味そのものは淡泊か、場合によっては落ち葉の土臭さが、特に柄の部分については気になる場合もあります。

ただ、その土臭さは、落葉松の森の香りそのもの。
それを口にしたとき、落葉松の森の情景がぱぁっと脳裏に鮮やかに浮かびます。
それは、僕が撮る写真なんかよりはるかに正確に森の空気を呼び起こす。写真を撮る者として嫉妬さえ覚えます。
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この日は山栗もたくさん採りました。
地道に鬼皮を剥き、渋皮煮を息子と作ります。
秋の夜長にコーヒーを淹れ、その渋皮煮をちょっとつまみながら森について思いを馳せる。
それは多分、幸せな時間だと思います。
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by silvers_blue | 2012-10-30 23:01 | 山の幸 | Comments(6)