野山を読む 野山を食す

カテゴリ:山遊び( 14 )

欅の杢目

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野のものを採ってきて食べる、というテーマで日々楽しみを見つけてる訳ですから、採ってきたものを料理しそれを撮影する、という機会も必然的に多くなります。
上手に撮影する為には上手に料理することが必須なので、レシピ本などもよく見ます。
料理本の写真は美味しそうで、何かと参考になります。特に「天然酵母パン」というようなテーマの本は雰囲気重視。メインのパンは当然ながら、食器など脇役もとても素敵な(時には演出過多ですが)写真が並んでいます。

その脇役の中で、テーブルというかカウンターというか天板について

パンのレシピ本などには、いい感じで年期が入った杢目の美しいカウンターが写っています。
一方、我が家のテーブルは決して悪いものではないのですが、2つ気になることがあります。

 ・艶あり塗装なので、ナチュラルテイストに欠ける上に反射がきつくて撮影しにくい
 ・天板が折り畳み式なので、撮影の際に写りこむ目地が目障り

そんなこともあって、撮影用の天板が欲しいなーとは思っていました。
(その前に料理のスキルをあげるべし、というのはとりあえず置いといて)
僕が理想とする天板は、できるだけ幅広の広葉樹を、ちょっとラフに仕上げたもの。
そうは言っても、広葉樹の幅広板は近頃では簡単には手に入りません。継いでもいいのですが、やはり見栄えがするのは幅広のもの。
幸い先日、大工さんの作業場に眠っていたケヤキのコタツ板をもらうことができました。60cm角のケヤキの一枚板。昔は珍しくなかったのでしょうけど、今となってはちょっとした貴重品です。

ケヤキというのは、ある意味、超高級品です。
一目でケヤキとわかる美しく力強い杢目を持ち、床柱や玄関など和風建築の、特に工芸的な見せ場に使います。
一方で非常に堅い上に狂い易く、しかも狂う力が強い。大工の腕前が試される難しい材です。
しかしその杢目はあまりに和風のイメージが強く、洋風の、しかもアンティーク調のラフでざっくりな感じには合いません。
また、あまりに丁寧に仕上げると、返ってプリントされた偽物っぽくなってしまいます。
この天板も、あまり丁寧に仕上げすぎると、和室の床の間の床のようになってしまうでしょう。

で、やってみました。

 ・元々の塗装を粗目(#60)のデイスクサンダーで落とす
 ・超粗目#40→#60→#120→中目#180の布サンダーで下地処理
 ・オイルステインを一度塗り、すぐに拭き取る
 ・着色された蜜蝋ワックスで仕上げる

ケヤキは堅いので、サンダー掛けも力仕事です。いやー疲れた。
うーん、#180は細かすぎたかな・・・ちょっと仕上がり過ぎてしまい、ラフ感が不足してしまいました。
ただ、あまり粗いと色が着き過ぎてしまうというジレンマもあるし。
わざと傷をつけてラフ感というか古材感を出す、という方法もあるのですが、今回はしませんでした。いずれ傷つくだろうし。
という訳で、今日からまた作り始める山葡萄での酵母の製作過程写真をパチリ。
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僕のが目指す雰囲気は、栗か胡桃(ウォルナット)あたりが理想の杢目でしょう。ナラ(オーク)でもいいけど、ありふれててちょっと目新しさに欠けます。
そうは言っても、せっかく手に入れた貴重なケヤキの一枚板。脚つけてミニちゃぶ台でも作ろうかな・・・

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by silvers_blue | 2017-01-29 21:27 | 山遊び | Comments(2)

ゆめかおり

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ちょっと前まで「強力粉って、何が強力なの?」というレベルだったのですが、パンを焼くようになってからは小麦についての知識も自然と入ってきました。
僕が今パン用に使っているのは、「華梓」という長野県産の強力粉。1kg320円とお手頃です。しかも美味しいし、以前使った外国産のものより捏ねやすい。
ところでこの「華梓」というのは商品名で、中身は長野県産の「ゆめかおり」という品種を中心とした長野県産強力粉のブレンドらしい。
「ゆめかおり」は、長野県農業試験場で2010年に種苗登録された新品種。長野県内では松本地域・上田地域での作付を進めたようですが、現在の主たる産地は松本地域のようです。松本市寿地区の「農事組合法人 小赤営農」のホームページに情報が載っていました。
その麦畑を見てみたい。春先頃からそんなことを思っていました。
麦の収穫は6月ぐらいだったはず。という訳で、松本までジムニーを飛ばします。
一帯は一面農地というほどでもなく、住宅と農地が混在している長野県ではありふれた雰囲気の場所です。水田に混ざって茶色く色づきつつある麦畑が簡単に見つかりました。
しかしこれが「ゆめかおり」なのかはさっぱりわかりません。麦畑の畦道の草刈をしている男性に声を掛けます。
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「おはようございます。ちょっとお聞きしていいですか?」
「あ?」
「ここ、おじさんの麦畑ですか?」
「あ、そうだけど」
「これ、なんていう麦ですか?」
「これは小麦だわさ」
「(・・・いやそうゆうことじゃなくて)なんて品種なんですかね?」
「えー?、なんて言ったっけかな~んーとえーと・・・」
「「ゆめかおり」ですか?」
「あーそれそれ! それだよ。3年ぐらい前からやってるんだ。」
「実は僕自分でパン焼くんですけど、長野県産強力粉っていうの使ったら美味しかったんですよ。それでいろいろ調べたら、この辺で採れる麦だっていうから、見学に来ました。」
「へーそうかい。まあ何を作付けしろっていうのも数年で変わるからなぁ。」
「この辺りは昔から麦はよく作っていたんですか?」
「ああ、麦畑は昔からあったけど、最近は転作奨励でな。田んぼ放っておいて雑草はやらかすのもうまくないって訳だし。その麦の穂先をな、両手で揉んでふっと息吹きかけるともみ殻が取れるからな、それを口に入れて噛んでるとガムみたいになるんだよ。グルテンってやつがガムみたいに変わるんだ。子供の頃はよくそうやってたもんだ。」
「へー」
「何本か持っていきな。飾りにする人もいるみたいだで。」
「あ、ありがとうございます。この麦畑を写真撮ってもいいですか?」
「あぁいいよ。」
「ありがとうございます。」

この男性はその後も、撮影している僕に「向こうの畔にキジが来てるで」と教えてくれるなど、とてもよくしてくれました。
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さて僕も、麦の穂先を2本ほど揉んでみます。
もみ殻は簡単に取れましたが、結構実も落としてしまいます。残った小麦の実を口に入れると

・・・・美味い! すごく美味しいぞこれ!

この品種だからなのか、そもそも小麦とはそうゆうものなのかはわかりませんが、「噛み続けるとガムのようになる」かどうかを確認するまでもなく食べてしまいました。
いやびっくりした。

 ☆ ☆ ☆

この麦畑の近くに、産直販売所があります。寄ってみるとここで採れたゆめかおりも売っています。
さっそく手に取ってみると、1kg870円。めちゃくちゃ高い!
しかし社会見学させてもらった訳だし、味まで確認してこそ見学の意味があるというもの。一袋購入します。また酵母起こしてパンを焼かねば。

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写真は、今日買ったゆめかおり(左)と、いつも使ってる小麦粉(中・右)。
それぞれのリンク先は↓


小赤地区のゆめかおりを購入した産地直売所:ファーマーズガーデン内田


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by silvers_blue | 2016-06-12 21:01 | 山遊び | Comments(0)

初冬の雑木林にて

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PENTAX LX ・ RDPⅢ ・ TAMRON SP 1:2.5 90mm MACRO(52B)

コナラが中心の初冬の雑木林。すっかり葉が落ちています。
どんぐりはさほど見えない。葉より実の方が先に落ちるので、落葉したこの時期は、既に落ち葉の下となっています。この写真は、梢についたまま落ちたどんぐり。日光に晒されて色あせています。あたたかな毛布の上で眠る子供のように見えなくもありません。

いつだったか、建築士を対象にした写真教室で、講師のアドバイスとして「曇り空や落ち葉の裏の白い色は写真にまとめにくいから避けるべし」というようなことを言っていました。しかしそうは言っても、この季節の雑木林でそれを避けることは無理。そんなことを思い出しながら、落ち葉や梢越しに見える流れる雲を眺めていました。

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PENTAX LX ・ RDPⅢ ・ SMC PENTAX-M 1:1.4 50mm


雑木林の地面は、落ち葉ばかりではありません。
よく見ると、小さな実生も見つかります。成木と同じように葉が色づいています。
さすがにこれは今年のどんぐりではないでしょう。1年前のものと思われます。
どんぐりはたくさん作られ落ちても、成木になるのはごくわずかです。果たしてこの実生は、成木になれるのか。
これが成木になれなかったとしても、それは憂うべきことではありません。自然の中でちょうどいい確率をもって、どんぐりは育ちます。
それでも、自分がみつめているこの実生にはこのまま育ってほしい。ついそう思ってしまいます。


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PENTAX LX ・ RDPⅢ ・ SMC PENTAX-F FISH-EYE 1:3.5-4.5 17-28mm

もはや探すべきキノコも見つかりません。ただただここでコーヒーを飲みながら無駄に時間を過ごします。
こんな場所、空、季節には、ジャンゴ・ラインハルトのギターが似合う。
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by silvers_blue | 2013-12-16 23:43 | 山遊び | Comments(4)

真夏の森

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トチノキ


真夏の森、というのは決して快適ではありません。
とにかく虫、特に晩夏はアブ類の猛攻に耐えなければなりません。
しかし、夏だけ森を歩かないというわけにも行かないのです。

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あまりの暑さとアブの猛攻で、じっくりキノコを探すという気分にもなりませんが、それでも水豊なこの森には、小さな妖精がところどころに顔を覗かせています。

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飢饉の際にも枯れることがなかったという神の池、お種池。
小さいイワナが泳いでいるのがわかるでしょうか。

PENTAX LX ・ RDPⅢ
TAMRON SP 1:2.5 90mm MACRO 52B (1枚目・2枚目)
SMC PENTAX-M 1:1.4 50mm (3枚目)
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by silvers_blue | 2013-09-06 00:20 | 山遊び | Comments(9)

春の色とは

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PENTAX LX ・ SIGMA SUPER-WIDEⅡ 1:2.8 24mm

春の色と言えば、菜の花や福寿草の黄色、梅や桜のピンク色を思い浮かべる人は多いでしょう。
しかし北国ではその前に、土の色を見ることが春の一歩です。
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PENTAX K-m ・ SIGMA SUPER-WIDEⅡ 1:2.8 24mm

雪が消えつつある河川敷では、柳の梢が淡い緑色に変わりつつあります。
非常に些細でわかりにくい、でも確実に春が近づいていることを示す色。
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PENTAX LX ・ SIGMA SUPER-WIDEⅡ 1:2.8 24mm
PENTAX LX ・ SMC PENTAX-M 1:1.4 50mm

この後、柳は非常に美しい萌木色に染まることになります。
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by silvers_blue | 2013-03-22 21:16 | 山遊び | Comments(10)

カヤの平

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今まで訪れたことがある中で、どの森が一番好きかと訊かれれば、ここ、カヤの平。
長野・新潟県境の豪雪地帯に位置する、深い森です。
奥志賀の最奥のその森に、今までも何度か足を運んでいます。しかし雨上がりの夏の早朝、霧が晴れつつあるその世界は、本当に美しかった。
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例えば優しい表情のなべくら高原のそれに比べ、ここのブナの樹皮は荒々しい印象です。
この地から流れる渓でイワナを追ったことがありますが、人間社会の空気をまったく感じさせない、まさしく深い渓でした。
似たり寄ったりの写真しか撮れない自分の実力の無さを痛感します。
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何度でも訪れたい森ですが、11月~5月は、雪の為道路が閉鎖され訪れることはできません。
キノコ溢れる秋にもう一度この森を見たい
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by silvers_blue | 2012-09-17 11:18 | 山遊び | Comments(7)

雨の森

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以前にも紹介した、長野県中部聖山周辺のブナの森。
霧巻いた梅雨時期は特に美しい。

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地衣類の着いたブナの樹皮の美しさは、写欲をそそらずにいられません。

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水豊な森を形成すると共に腐りやすい材質ゆえ、キノコの発生も多い。
秋が楽しみです。

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美しいのはブナばかりではありません。
湧水の脇でひこばえを伸ばす桂の樹。

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幻想的な霧の中で大きな葉を広げる、栃の木。
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水の神が宿る 樋知大神社 お種池のほとりの森にて
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by silvers_blue | 2012-07-21 13:48 | 山遊び | Comments(8)

筑波大学菅平高原実験センター

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主に植物関連の自然の研究をしている、筑波大学菅平高原実験センター。その観察林は平日は一般に開放されていて、見学可能です。
息子が中学生のとき、就職体験場所として選んだのが、ここ。


ここで行われている研究のうち、ブナの森の復旧については特に力を入れられている研究。
菅平高原は、かつてはブナの森に覆われていたそうです。しかし古くから開拓された為、ブナの森はほとんど伐採され、落葉松の植林が、あるいは開拓後に育った白樺の林が中心となり、ブナの原生林は大洞地区にわずかに残されるもののみとなりました。
本来の植生の復活を目的とした研究が、ここで行われているのです。

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若いブナの木には、のちに見られるような地衣類の付着がまだ希少で、同じ樹木には見えません。
虫こぶがついた葉も興味深い。
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by silvers_blue | 2012-06-15 21:08 | 山遊び | Comments(6)

高原の春

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マイナス7度。この時期としては冷え込んだ朝でした。
一見冬景色に見えるこの湿原にも、確実に春はやってきています

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                                     セリ  芹


日差しの強さは確実に春を感じさせます。
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by silvers_blue | 2012-04-11 20:55 | 山遊び | Comments(4)

秋の終わり

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11月21日。僕ら親子にとって、秋の終わりとは最後のキノコ狩りのこと。
毎年行く場所は決まっています。
そこでは、毎年必ずカチカチに凍りついたエノキタケやムキタケに出会うことができます。
キノコ狩りが盛んな信州でも、この時期、しかも谷筋というのはキノコ狩りの穴場。

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                                  エノキタケ



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                                  ムキタケ



ほとんどモノクロの世界になりつつあるこの季節でも、わずかに鮮やかな色が残されています。
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                                  カラコギカエデ



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                                  ヒヨドリジョウゴ
  


ホームグラウンドの一つであるこの谷筋は、以降は雪に閉ざされ、ジムニーでさえも入っていくことは不可能となります。
深山での山遊びは、しばしおあずけ。
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by silvers_blue | 2011-12-10 01:10 | 山遊び | Comments(6)