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野山を読む 野山を食す

サルナシのフォカッチャ

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先日購入したパンのレシピ本を見ていると、巨峰をトッピングしたフォカッチャが載っていました。
フルーツをフォカッチャにトッピングする、という発想がなかった僕には、それはとても新鮮に感じられました。

やってみるか。

と思ったのは今年の1月頃。しかし仕事が忙しく、ごくたまに得られる休日も、気持ちに余裕がありません。
自家製酵母のパンはある程度時間がかかるので、心身共に余裕がないと取りかかれません。
何せ生種がない場合は、酵母起こしからパンを焼くまでは一週間かかりますから。

冷凍庫には去年の秋に収穫したサルナシが眠っています。これ使おう。
「山葡萄での自家製酵母パン + サルナシ」という組合せは、野生のものを採って食べるというテーマにぴったりです。
で、結果が写真のもの。
干からびたキュウリみたいで見た目はイマイチですが、うん、これは美味しい!
サルナシのフォカッチャ_f0220698_15535309.jpg

フォカッチャというのは平たく整形する為、楽ちんです。
オリーブオイルを塗ることでできるカリッとした表皮と香りは、僕のような素人が特に高度な技を使わずとも、一定の美味しさを約束してくれます。
市販のハーブソルトをふり掛けて焼くだけで、それっぽく仕上がります。シンプルな丸パンなんかより、かえって簡単。
今回はトッピングがフルーツなので、もちろんハーブソルトは使いませんが、久々のヒットでした。

余談ですが、写っているカッティングボードは、地元産のカラマツで作りました。
カラマツというのは寒さに強く成長も早い為、戦後長野県では盛んに植林されました。
しかし材木としての価値はイマイチです。狂いやすくヤニが多い。ヤニ取りの行程を経ないと材木として使えないのでその分コストに上乗せされる。杢目も大柄で緻密さを要求される日本の建築業界にはあまり向かないとされています。
しかし大量に植林されたカラマツは有効利用しないと、山林の環境保護という視点からも好ましくありません。長野県内の公共工事には積極的に使われています。
僕は建築関係の仕事をしているのですが、店舗工事で出た端材のカラマツの板が良質だったので、加工してカッティングボードにしました。
加工と言っても、切って磨いて取っ手をつけただけ。柿渋を2回塗った後に戸棚に残ってた胡桃を砕いてこすりつけることでオイルコーティング。
つまり、ここに載せた写真には、僕の山遊びのフィールドに普通にある山葡萄・サルナシ・カラマツの3種が写ってることになります。

by silvers_blue | 2017-03-26 15:57 | 山の幸